ふくしまインフラメンテナンス技術者育成協議会

会長挨拶

 インフラメンテナンス技術者育成協議会が平成29年7月に設立し,その会長をつとめさせていただいている中村晋です。
 本協議会は,平成29年1月の福島県建設業審議会の答申をふまえ,3月に福島県土木部が策定したふくしま建設業振興プランからわずか4ヶ月で,県内の社会基盤の主要な管理者である福島県,調査・設計・施工などに関わる企業,および大学関係者の参加により設立されました。本協議会のような県全体の社会基盤の維持管理・更新の係わる産官学で構成されるコンソーシアムの設立は東北地域で初めてです。
 福島県では建設後50年を超える社会基盤施設が全体の50%を超え,それらの維持管理・更新は緊急の課題です。また,福島県は浜通り・中通り・会津の3地域で構成され,それぞれの地域に特有な気象,地象環境の下で,施設の経年変化に及ぼす素因や誘因が異なっています。そのような環境の下で社会基盤の持続的な利活用を可能とし,県民生活の安全を支えるためには,その維持管理・更新は必要不可欠です。対象とする社会基盤も橋梁,トンネル,盛土,斜面,河川,下水道などと多様です。それらの維持管理・更新に必要な点検,診断および対策技術の基礎力,応用力などについて,他地域の取り組みや,県内での橋梁の維持管理に関する既往の研究会の取り組みをふまえたカリキュラムにより,技術者育成の実践を行いたいと考えております。
 福島県における社会基盤施設の維持管理・更新を担うメインテナンスエンジニアに望まれる技術者像として「ふくしまのインフラホームドクター」つまり,福島県の地象・気象環境や地域の社会基盤施設の特性を常に把握し,それらの維持管理・更新に必要な点検,診断および対策ができ,地域から信頼される技術者となることを掲げます。そのような技術者の育成を行うため,協議会による講習プログラムを基礎的な知見とし,日々の実践を通じて,目標とする技術者に到達できるものと考えています。
 あわせて,人口減少,事業の減少にともない建設分野に従事する技術者が減少しており,福島県における社会基盤施設の安全を確保するための技術者も減少しております。本協議会が育成した「ふくしまメインテナンスエンジニア」が,福島県の次世代を担う若者の目標となるような技術者となり,繋いでいくことにより,福島県における社会基盤の維持管理・更新が持続可能となることを願っております。

ふくしまインフラメンテナンス技術者育成協議会 会長 中村 晋

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